緑に囲まれると人は落ち着くと言われますが、緑と人間社会の結びつきはおよそ700万年前までさかのぼります。人間(ヒト)はチンパンジーなどの類人猿(るいじんえん)と共通の祖先から進化したとされ、その時代から緑豊かな森の中で生活してきた動物です。いまだにそのDNAを持ち続けているため、緑があると人間は落ち着くという説です。
「緑は産後の母親に良い影響をあたえる」、これも緑が人を落ち着かせる効果の1つです、これは高柳和江氏が行った「授乳室にふさわしい色環境」をテーマに行った研究で明らかにしたもので、同氏はどんな色環境が母親の精神的安定を得てスムーズな授乳ができるかを調査しました。
約250人の母親を対象に、「白」「赤」「緑」の色環境の授乳室で母乳量の調査をしたところ、「緑」の色環境の母親の母乳がいち早く安定量がでたそうです。「緑」の色環境が他の色環境より母親をリラックスさせ、母乳の出を良くしたと考えられます。
緑のリラックス効果は母の愛の如く、その優しく大らかな感情は子供たちに受け継がれていく。“母なる緑の力”を伝えるのも私たちの仕事です。