環境の日に想うこと

6月5日は世界環境デーでした。国連で制定された国際的な記念日で、毎年異なる開催国がテーマに沿った祭典を行います。日本でも環境省が6月全体を環境月間とし、企業や民間団体が様々な活動やイベントを展開しています。

🍃世界環境デーについて

この日の誕生に日本が関わっていたことは、あまり知られていない話です。1972年6月、スウェーデンで113カ国が参加して環境問題を話し合う世界初の国際会議が行われました。通称ストックホルム会議と呼ばれていますが、この会合を記念して「世界共通の記念日に」という共同提案が日本とセネガルから出され、世界環境デーの誕生につながりました。 毎年6月5日は世界の異なる都市でメインとなる祭典が行われます。国連環境開発計画(UNEP)による、大気汚染やプラスチック汚染、食品ロスなど、その年のテーマがあります。2024年の開催国はサウジアラビアで、テーマはGeneration Restoration(世代の修復)。土壌回復、砂漠化、干ばつからの回復力等が焦点です。世界の土地の約40%が劣化しており、世界で約32億人が砂漠化によって悪影響を受けているとされ、2050年までには世界人口の4分の3以上が干ばつの影響を受けるとの予想です。再び森林を育て、水源を復活させ、豊かな土壌を取り戻そうということです。 尚、来年2025年の世界環境デーの主催国は韓国で、プラスチック汚染根絶というテーマがすでに発表されています。

🍃SSFF& ASIAの取り組み

民間団体も環境の日に多く参加しています。国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2024」(略称:SSFF& ASIA)もその1つ。米国アカデミー賞公認のアジア発の映画祭で、温暖化など環境問題から地球全体へのメッセージを発信しています。 今年は環境大臣賞として、地球温暖化にフォーカスし、猛烈な暑さを生き延びようとする人々を描いたイタリア作品の『ローカルウォーミング』(監督:Manuel Vitali)が選ばれました。映画を通じて環境の日を盛り上げようということです。 同映画祭のホームページには、協賛する東京都の小池百合子知事の次に、大会委員長である別所哲也さんの挨拶が掲載されています。

🍃別所哲也さんの番組で紹介された観葉植物

別所さんは俳優でデビューし、近年はFMラジオ局J-WAVEの番組「TOKYO MORNING RADIO』のナビゲーターとして知られています。 先月28日、その番組に園芸業界のデザイナーとして初のグッドデザイン賞を受賞した川原伸晃さんがゲスト出演し、観葉植物の魅力について語り合ったそうです。ラジオを聞いた人によると、その際別所さんが「エバーフレッシュが可愛い」と言っていたとのこと。エバーフレッシュは涼しげな葉姿と日中に葉を開き夜は閉じる特徴で人気の観葉植物で、「可愛い」発言の確認はとれていませんが、こうして長年続いている番組で観葉植物が取り上げられるのは嬉しいことですね。

🍃昨年話題になった植物の話

昨年末に公開された映画「パーフェクトデイズ」は、カンヌ国際映画祭で高い評価を受けました。役所広司が演じた主人公は淡々とした生活でありながら充実しており、その象徴として植物が登場します。そして木々の葉からこぼれる緑の光は生きる喜びの象徴です。勿論セリフも見せ場もありませんが、その存在感は話題になりました。舞台は東京で出演者も日本人、監督はドイツ人と多彩で、植物の持つグローバルな力も感じさせています。 また去年の今頃といえば、朝ドラの主題歌「愛の花」がヒット中で、作者のあいみょんが「植物大好き!」と笑顔でインタビューに答えていたことを思いだします。

環境の日や環境月間をきっかけに、国際レベルでも身近なレベルでもいい、今年も植物が話題になることを期待しながら、待つだけでなく私たちも行動していきます。

植物に派手さはありません。動物のように自ら動くことは出来ないし名前を呼んでも反応することもありません。それ故に、特別な何かを人は植物に感じ、想いを託すのでしょう。