植物は現代社会の様々な場面で使われ、その持つ力を発揮しています。身近な生活の中ではインテリアとして楽しむだけではく、精神的な余裕=心地よい時間を生み出しています。人の不安や怒りといったマイナスの感情を減少させる効果があるからです。科学的にも証明されているこの効果は、植物が人間と同じ生命体であることも大きな要因でしょう。イミテーションにはない、特別な力です。

〇同じ生命体としてつながっている安心感

精神面の治療方法に、園芸療法と並んでペットなどによる動物療法があります。例えばネコを飼うと血圧が下がる、コレステロール値が下がる、孤独感が減るといった効果が期待できるというデータがあります。

そして人はペットが甘えてくると可愛く思い、寂しい時は話し相手になるなど感情的なつながりを持つようなる。同じ環境で共生する生命体だというシンパシーと安心感が産まれてきます。故に愛情は深まり、家族の一員という存在にまでなるのです。

オフィスになると事情は違ってきます。オフィスは生きてきた環境も嗜好もそれぞれ違う他人の集まりです。勿論、ペットをオフィスで飼うことはできません。

そこで同じ生き物としてつながっているのが植物です。植物はペットのように動いたり甘えたりはしませんが、新芽が芽吹くなど確かな成長を見せてくれます。そしてCO2など有害物を吸収して空気を綺麗にし、社員のメンタルを和ませています。同じオフィスで働く仲間として「心地よい時間」を一緒に作っているのです。

〇「心地よい時間」を持つことが大切

昨今は働き方改革やワークライフバランスの重要性が叫ばれ、若者を中心に心の豊かさを意識する傾向にあります。精神的な健康や環境への配慮を重視する価値観が高くなってきて「ウェルビーイング(心身の健康)」「サステナブルな働き方」といった考え方も認知されつつあります。

いかに心地よい時間を過ごすかが大切です。それには地球環境、そして身近な生活においては同じ生命体である動物や私たちの扱う植物と良い関係を築くことです。

最後に、女優の川上麻衣子さんの言葉を紹介します。川上さんは1980年に国民的ドラマの優等生役でデビュー、現在も活動を続けながら雑貨販売事業を経営し、一般社団法人「ねこと今日」の代表をされています。ネコに関する情報の発信や共有、そしてイベントやセミナーなどを開催していて、保護猫問題や殺処分という社会問題についても取り組んでいます。

川上さんはラジオのインタビューで次のように話しています。人は緑を通じてつながっていることを実感する言葉です。

『ネコという人とは別の生命体と暮らしていると、心地よい時間を持つことが大切だということがわかります。イライラしていると相手にも伝わるものです。花や植物さえ、私がイライラしていると枯らしてしまいますからね』