今注目の「グリーンカフェ」とは?植物とカフェの融合した新しいビジネスモデル

お気に入りの植物を買ったあとは緑に囲まれてゆっくりと食事を楽しむ、そんな時間を提供する店が注目されています。「植物×カフェ」、いわばグリーンカフェという新しい店舗形態です。

商品は他店では手に入らない珍しい品種やグッズを揃え、カフェの料理も食材や調理方にこだわるなど、意識の高い客層を狙っているようです。

○対照的な場所にあるグリーンカフェに行ってみた

東京の都心と下町という、対照的な場所にあるグリーンカフェ店に行ってみました。

1店目は港区の南青山にあり、地下鉄の駅を降りて徒歩数分です。近くの渋谷や表参道に比べると人通りは多くありませんが、敷地は広く公園の中にいるようで、見上げれば高層ビルというロケーションです。

全ての年代の人がきていました。中でも、子供連れやグループなど若い人たちが多かったのが印象的です。天気が良かったこともあり、ピースフルな賑わいを見せていました。

クッカバラという観葉植物を買った友人の感想です。

「観葉植物のクオリティは高いですね。実物の植木鉢と組み合わせて選べるのは、WEBでは分からない楽しさです。店員さんも感じよかった。植物屋さん+お洒落なカフェ、流行りそうですね」

2店目は江東区の清澄白河です。この辺りは下町風情が残る一方、東京都現代美術館がありアートな雰囲気も感じます。また、コーヒー好きには“聖地”と崇められ、日本のスタンドコーヒーのパイオニア的な店などがあるカフェ激戦地です。珈琲の味は当然ながら、店の雰囲気など差別化が求められます。

その中で、このカフェは観葉植物を差別化としています。店の入口は華やかな草花が並び、店内に入るとギャラリー風に陳列された観葉植物が迎えてくれます。植物の癒しと珈琲の癒しで、贅沢な時間を過ごすことができました。

〇「価値を感じる空間で時間を過ごすこと」を重視する時代へ

今回、南青山と清澄白河という対照的な街にある、観葉植物とカフェが融合した店を見て、新しい流れを感じます。これらの店は一般的なカフェ、そしてホームセンターの園芸売り場とは一線を画する特別な空間として存在していました。

その居心地の良さに惹かれ感度の高い若者やファミリー層が足を運び、魅力がSNSなどで広まっていくのでしょう。

このような「植物×カフェ」という店舗形態は、都市のライフスタイルや消費者意識の変化を映す象徴的な現象と捉えるべきかもしれません。私たちは今、「消費」ではなく「体験」を求め、「物を買う」だけでなく「価値を感じる空間で時間を過ごす」ことを重視する時代へと移行しているといえます。

グリーンカフェはまだ広く認知はされてはいませんが、トレンドの1つであり、コンセプトもターゲットも明確です。1970年代に家族連れにターゲットを絞って始まったファミリーレストランは、いまや25兆円という一大マーケットに成長しています。グリーンカフェも可能性を感じます。飲食の世界にも、緑の風が吹いてきたようです。